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楽器で歌うってどういうこと?「もっと歌って」と言われたら

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合奏中に、指揮の先生から「もっと歌って」と言われた…そんな経験ありませんか?

でも、楽器で歌うってどういうこと?どうしたら良いの?

なんとなく抽象的で、分かりづらいですよね。

この記事では、「楽器で歌う」ということについて詳しく解説していきます!

Photo by Gustavo Fring on Pexels.com

楽器で「歌う」とは?

正直、「歌う」ということについて文章で説明するのは難しいです。

私が質問されたときには、以下のように説明します。

  • 抑揚をつけて演奏する
  • 感情を込めて演奏する

例えば文章を読むときに、抑揚をつけないとどうなるでしょうか。

いま 別れのとき

飛び立とう 未来信じて

弾む若い力信じて

このひろい このひろい 大空に

旅立ちの日に/小島登

有名な合唱曲の「旅立ちの日に」です。卒業式で歌うと大きな感動を呼びますよね。

全く抑揚をつけずに歌詞を読むと、

イマワカレノトキ トビタトウミライシンジテ…

と、まるでロボットが読んでいるようになってしまいます。これでは、誰も感動しません。

この曲が感動するのは、歌詞に会った素晴らしい旋律と、卒業式という場面で皆がそれぞれ感情を込めて歌うからではないでしょうか。

でも楽器で演奏するとき、歌詞はない…そう思いますか?

楽譜に書かれている音符をただ吹くだけでは、ロボットが文章を読んでいるのと同じです。

  • この曲はどのような想いが込められた曲なのか
  • フレーズの「やま(一番聴かせたいところ、盛り上がるところはどこか)」はどこなのか

常にこのことを考えながら演奏しましょう。

どのように演奏したら良い?

では、具体的にどのように演奏すれば「歌っている」「感情を込めている」ように聞こえるのでしょうか。

演奏者としてこのような言い方はあまりしたくないのですが、平たく言ってしまえば、以下のようなことが挙げられます。

  • フレーズの「やま」に向かってクレッシェンドする
  • 大切な音をテヌート気味に演奏する、少しゆっくり演奏する

音にもエネルギーがあり、自然に増幅したり、減衰したりします。

まずはどこからどこまでが1フレーズなのか見極めましょう。

フレーズとは、文章で言うと「、」や「。」で区切れるような箇所になります。

上記の「旅立ちの日に」の場合、私なら

いま 別れのとき

飛び立とう 未来信じて

弾む若い力信じて

このひろい このひろい 大空に

この2つにフレーズを分けます。とはいっても、「未来信じて」の後は「、」「大空に」の後が「。」といった感じです。

この中で一番聴かせたいところは、間違いなく「大空に」ですよね。

前半は「飛び立とう」が一番音が高くなり盛り上がるので、少しここに向かってクレッシェンドします。「未来信じて」は少し落ち着きますが、まだ先に続くので減衰しすぎないように、「弾む」に繋げます。

後半は「大空に」に向かって盛り上げていきます。特に「このひろい」は2回同じ音で繰り返されるので、2回が同じようにならないよう、1回目、2回目と大きくしていきましょう。

このように、フレーズの「やま」に向かって演奏することを意識すれば、自然と歌っているようになるはずです。

楽譜に書いてないことをやってもいいの?

楽譜にクレッシェンドやテヌートが書いていないのに、勝手にやっていいの?と思うかもしれません。

答えは簡単です。大いにやりましょう!!

音楽には楽譜に書ききれないことがたくさんあり、同じ楽譜を演奏しても演奏者によって違う解釈になることはよくあります。

それが音楽の面白いところであり、良いところです。

あなたなりの解釈で楽譜を演奏してください。

最初は「やりすぎ」くらいでちょうど良いと思います。やりすぎているものを抑えるのは簡単です。その場合は指揮者や指導者の指示に従えば良いでしょう。

まとめ

私も中学生のときに吹奏楽部に入部し、先生から「もっと歌って」と言われたときは、意味がわからず戸惑いました。

言葉ではなかなか伝わりにくい部分もあるかと思いますが、少しでも伝わったでしょうか。

歌うことは音楽の醍醐味でもあります。

あなたの楽器で大いに歌って、演奏を楽しんでくださいね!

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