音大卒って仕事ないって聞くけど実際どう??
卒業生がぶつかる壁があるって聞いたけど…
一言で回答すれば、仕事はあります!!
ただし音大生ならではの「壁」があることも確かです。
音大を卒業しても仕事がないのでは?
音大出てどうするの?
現在音大に通っている方も、これから目指したい方も、そんな言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
かく言う私も、音大受験前から在学中にも、いろんな人に何度も何度も訊かれたものです。
世間にそういったイメージを持たれるのにも理由があります。
この記事では、音大卒業生の進路の現実と、「音大卒業生の壁」について解説していきます。
moneko
某私立音大管楽器専攻卒業。
音楽系出版社勤務、WEBデザイナー。同時に演奏活動、後進の指導を行う。
ブログ運営に力を注ぐ2児の母。
音大卒業後の進路の割合
音大生の卒業後の進路は、以下の通りです。
このグラフを見ると、就職(企業・団体、教員、演奏関係、音楽教室)が合わせて55%、
就職しない(進学・留学、その他)が45%となっています。
就職が全体の約半数、そして謎の「その他」…
「その他」の卒業生は何かと言うと、ほとんどはフリーランスの音楽家です。
フリーランスの音楽家とは
フリーランスの音楽家は、企業や団体に所属せず自分で仕事をとり活動する音楽家です。
音楽家を目指す音大生がプロの楽団(オーケストラ等)に入るのは、大変狭き道です。
まず、募集自体がとても少ないのです。
数年に一度、自分の楽器で募集が出るかどうか…更にはその1つの席を何百人で奪い合うことになります。
想像しただけでも、その難しさがお分かりいただけるのではないでしょうか。
多くの音大卒業生は、フリーランスとして活動しながらオーディションを受け、プロのオーケストラ団員になることを目指します。
「音大卒業生の壁」の意味
よく耳にする「音大卒業生の壁」には、2つの意味があります。
演奏の仕事が入らないこと
演奏の仕事が入らない…
教室を開こうにもなかなか生徒は集まらない…
結局アルバイトばかりして、音楽活動から離れてしまう…
フリーランスになることを選んだ卒業生の多くは、こういった問題にぶつかります。
最初はプロの楽団への所属を目指していた人も、だんだんと実力が落ちていき、オーディションを受けることすらしなくなっていくことも。。
フリーターやニートのような状態になってしまう人もいます。
音楽を諦められず、就職に踏み切れないこと
「今までの人生かけてやってきた音楽を、今さらやめられない!」
「もう少し研鑽を積めば、音楽家としてやっていけるのでは?」
そういう思いに駆られ、就職を選ぶことができない音大生も非常に多いです。
私は就職を選びましたが、先生や友人から「あの人は音楽を捨てた」という目で見られるのを感じました。
先生のレッスンの態度が変わったり、アンサンブルに誘われなくなったり…
そういった音大の環境が、就職を選びにくくしているとも言えます。
音大卒は仕事がない…そう言われる理由
「音大卒は仕事がない」という言葉には、2つの側面があります。
1つ目は、就職が難しいのか、という点。
2つ目は、音楽で食べていくのが難しいのか、という点です。
就職が難しいのか、という点に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
音楽で食べていくのは難しいのか。次の項目で解説していきます。
音楽で食べていくことは可能?
フリーランスの音楽家として生計を立てることは可能なのでしょうか。
「演奏の仕事が入らないという壁」についてお話ししましたが、
フリーランスの音楽家としてもやりようによっては十分な収入を得ることができます。
フリーランス音楽家の年収
音大卒業生の4人に1人(私の所属していた管楽器専攻であれば体感として2人に1人程度)が踏み出すフリーランスの道。
その年収は実に人それぞれで、データをとるのも困難なため一概にどれくらい、と明言することもできません。
音楽だけの収入は年収で10万以下という人もいれば、年収400万くらい稼ぐという人も。
ただ、新卒で卒業してすぐに400万稼ぐのは至難の業でしょう。
稼いでいる人はどうやって、どのような仕事を獲得しているのでしょうか。
成功する人としない人の違い
私の身近にいるフリーランス音楽家で、収入面から見て成功していると言える人が2人ほどいます。
1人は、たくさんのコネクションを持ち、プロの楽団に頻繁に呼ばれ多数の演奏会に出演している人。
もう1人は、YouTubeやSNSでの発信を地道に行い、チャンネル登録者数1万人を超える人気YouTuberになった人です。
全然違うことで成功している2人ですが、共通していることがあります。
それは、営業力と丁寧なコミュニケーションです。
フリーランスの音楽家といえど、演奏が上手な人が必ずしも仕事がとれるわけではありません。
特にYouTuberになった友人は、在学中の成績はさほど上位ではありませんでした。
それでも成功しているのは、自分自身の強みを理解し、積極的に発信して、継続したからこそです。
演奏の技術ももちろん大事ですが、それ以上に自分から仕事を取りに行く営業活動が大切です。
手軽なのはTwitterやInstagramでの発信。そこから仕事が来ることは多いようです。
フリーランス音楽家の仕事については以下の記事でもまとめています。
卒業後、後悔しないために「今」できること
もし、今音大に在学中(もしくは入学予定)なのであれば、意識しておいた方が良いことを2つお伝えします。
- できるだけ交友関係を広げておくこと
- SNS等での発信に慣れておくこと
広い交友関係は、そのまま仕事の可能性に繋がります。
SNSも、急に始めてもなかなか成果は出ないもの。在学中から慣れておくに越したことはありません。
現に、たくさんのコネクションを持ち成功している友人は、在学中から積極的に演奏会に足を運んだり、他の学部の人とも仲良くしたりして交友関係を広げていました。
音大在学中から、いかに卒業後をイメージして動けるかが早く成功するポイントです。
まとめ
音大卒業生がぶつかる壁について解説しました。
フリーランスの音楽家として活動している人の仕事量は、人によって様々です。
成功している人も知っていますが、挫折してしまった人も大勢います。
成功するために今できることを、少しずつでも始めてみましょう!
そしてもちろん、大前提として実力も磨きましょうね。
コメント