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学校での著作権の基本と事例 知らない内に違反してるかも?

著作権
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オンライン授業も多くなり、気になるのが著作権。

なんとなく知ってはいるけど…その使い方、大丈夫ですか?

学校だからといって油断していると、知らないうちに違反しちゃうかも?!

この記事では、著作権の基本と、学校で使用する際の注意点を具体的な事例を用いてご紹介します!

そもそも著作権って?

著作権とは

著作権とは、知的な創作活動によって何かを創り出した人に与えられる「知的財産権」のうち、文化的な創造物の保護を対象とするもの。

文化的な創造物とは、文芸、学術、美術、音楽のジャンルに入り、人間の思想や感情を創作的に表現したものです。これを著作物といい、創作した人を著作者といいます。

著作権は、著作権法という補遺率によって保護されています。

著作権法 第二条

 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

著作権法より

著作物と著作者を保護するための権利の束であり、“文化の発展”を目的とされています。

著作物の範囲

著作物には創作された時点で自動的に著作権が発生し、申請する必要はありません。文章を書いたり、絵を描いたりした時点で発生します。

また、音楽においては、曲のほかにも歌詞も含まれます。楽譜にされていたり、録音されている必要もなく、例えばお風呂で歌ったオリジナルの鼻歌にも著作権が発生するのです。

注意が必要な使用法

他人の著作物を、許可なく利用すると著作権法違反となります。

著作者の許可なく以下のことをすると、著作権法違反となるので注意しましょう。

著作権違反となる行為

  • 公表する
  • 撮影する
  • HPにアップする
  • アレンジする
  • 口頭で公に伝える   など

自由に使える範囲

著作権法では、一定の範囲で自由に利用できることが定められています。音楽科で特に利用頻度の高い代表的なものは以下の通りです。

著作物を自由に使える範囲

  • 私的利用のための複製
  • 引用
  • 学校、その他教育機関における複製
  • 試験問題としての複製
  • 営利を目的としない上演

学校においては、これにより授業で必要な範囲においては複製を認められています。

学校における著作権


※ここにおける「学校」とは、「営利を目的としない教育機関」のことです。塾や音楽教室等は含まれませんのでご注意ください。

繰り返しになりますが、学校においては授業で必要な範囲においては複製を認められています。

代表的なOKとNG

学校においてよく見られる、以下のような行為は全てOKとなります。

これはOK!

  • 授業で必要な範囲で楽譜をコピーする
  • 流行りの曲を使い運動会でダンス!
  • 文化祭でコピーバンド演奏

逆に、やってしまいそうなこれらの行為はNGとなります。

これはNG!

  • ドリルやワークブックの複製
  • 先生たちの集まる講習会での複製
  • 生徒たちの演奏をHPにアップ
  • 毎時間コピーを渡していたらほぼ本一冊分になった

ドリルやワークブックは、生徒の人数分の購入が前提となっている商品のため、複製してしまうと売り上げの阻害をすることになってしまいます。

講習会での利用は、授業の範囲ではないため、著作者の許可をとりましょう。

演奏をHPにアップすることも複製にあたるため、NGとなります。

ただし、YouTubeに関しては別途著作権を管理しているため、自演のものであれば多くの場合OKとなります。楽譜が映り込んだり、CD音源を伴奏に使っているとNGなので注意が必要です。

また、コピーを配布している内に本のほぼ全てのページを渡してしまった…ということにならないようご注意ください。あくまで複製は必要な範囲に収め、心配な場合は使用後回収すると良いでしょう。

オンライン授業を行うとき

オンライン授業で教科書や楽譜、音源を使用する際は、学校や地区の教育委員会がSARTRASへ登録しているか確認しましょう。

SARTRASとは「授業目的公衆送信保証金制度」のことです。

営利を目的としない教育機関において、一定の額の保証金(一人当たり120円程度)を支払えば、著作物を公衆送信できる制度です。ただし、授業で必要と認められる範囲に限られます。

2018年の法改正で、ICTを活用した教育での著作物利用の円滑化を図るため、これまで認められていた遠隔合同授業以外での公衆送信についても補償金を支払うことで無許諾で行うことが可能となりました。

具体的には、学校等の教育機関の授業で、予習・復習用に教員が他人の著作物を用いて作成した教材を生徒の端末に送信したり、サーバにアップロードしたりすることなど、ICTの活用により授業の過程で利用するために必要な公衆送信について、個別に著作権者等の許諾を得ることなく行うことができるようになります。ただ、著作権者等の正当な利益の保護とのバランスを図る観点から、利用にあたっては制度を利用する教育機関の設置者が、補償金を支払うことが必要となっています。

SARTRAS ホームページより

SARTRASへの登録は「教育機関の設置者」が行うため、公立の場合は教育委員会、私立の場合は法人が登録し保証金を支払います。

SARTRASへの登録を行うと、オンライン授業で以下のようなことが申請なしで行うことが出来ます。

  • オンライン授業で教科書を画面に映す、教科書の文章を読み上げる
  • 授業で用いる資料のデータを生徒・児童の端末に送る
  • 教科書を使った授業を収録し、生徒・児童のみがアクセスできる形で配信する

ただし、必要と認められる範囲に限ること限定公開の形をとることが必要です。

例えば、

  • 都度コピーやデータを送信をしていたら、書籍の殆ど全てを渡してしまった
  • 誰でもアクセスできるような、学校のHPや動画共有サービスに公開する
  • 授業に必要な範囲を超え、音楽や映像の全部をサーバーに保存する

このようなことは不可となりますので、ご注意ください。

特に映像資料や音源については慎重に確認が必要で、基本的には授業のためにのみ作成されたものであれば可能となる場合が多く、他の一般商品にも収録されているようなもの(音楽科の鑑賞音源など)は、SARTRASの他にレコード会社等にも申請が必要な場合があります。必ず著作物の権利者に確認をとりましょう。

こんなときどうする?


事例①学習発表の配信

教科書教材を用いた児童の発表の様子を、保護者へライブ配信することはできるか?

こちらは、SARTRASへの登録があれば可能となります。

教育委員会や学校法人に確認をしましょう。

事例②教員のZoom研修会

教員の研修をZoomで開催することになった。鑑賞用CDやDVDを共有することはできるか?

教員の研修は、SARTRASの枠組みではできません

著作権の多くはJASRACへの申請が必要となり、CDやDVDに関してはレコード会社への確認も必要な場合が多くあります。

事例③ピアノ伴奏の共有

児童が使用しているタブレットに、教員が演奏したピアノ伴奏を送りたい。著作権にふれるのか?

こちらは、SARTRASへの登録があれば可能となります。

もしCD音源を使用するのであれば、楽曲ごとに対応が異なる可能性がありますので、CD製作者やレコード会社に確認をしましょう。

まとめ


著作権は様々な権利の束です。

基本はあれど、状況によりかなり複雑になってくるものもあります。

知らないうちに違反していた…ということにならないよう、心配な場合は著作権の保持者に都度確認をとると良いでしょう。

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